イギリスと言えば紅茶というイメージが強いですが、実際にイギリスの人々は紅茶を頻繁に楽しんでいます。1日あたり平均で7~8杯飲むと言われています。
日本ではストレートティー、ミルクティー、レモンティーの中から選ぶことが一般的ですが、イギリスではレモンティーはあまり飲まれません。ほとんどの人がミルクを加えて飲みます。
なぜイギリスではレモンティーは飲まないのでしょうか?
イギリスではミルクティーが主流
イギリスでは約98%の人が紅茶にミルクを入れて楽しむと言われています。牛乳は温めずにそのまま使用することが多く、昔から「紅茶にはミルク」と決まっていたようです。
一方で、何も入れない紅茶は「ブラックティー」と呼ばれます。
日本のようにレモンを入れる習慣は、昔のイギリスには存在しませんでした。日本で一般的なレモンティーが、なぜイギリスではあまり見かけないのでしょうか?
レモンティーがイギリスで飲まれない理由
イギリスの紅茶は日本のものよりもかなり濃く出るため、レモンティーにするときには大量のレモンと砂糖が必要になることが一因といわれています。
イギリスで紅茶が濃く出る理由として、使用される水が硬水であることが挙げられます。硬水で淹れた紅茶は、色が濃く、味も強くなります。
これが、イギリスではミルクティーが主流となり、レモンティーがあまり普及しなかった理由の一つと考えられます。
とはいえ昨今はイギリスでも紅茶の飲み方が多様化し、レモンティーもその一つとして受け入れられるようになりました。
イギリスでレモンティーが普及していった背景
レモンティーがイギリスに広がった背景には、17世紀のアメリカ大陸の発見が大きく関与しています。そして、その後の貿易の拡大が密接に関わっています。
17世紀になると、紅茶は上流階級だけでなく一般の人々にも普及し、様々な飲み方が試されるようになりました。その中でレモンティーも登場しました。
レモンはアメリカから輸入され、イギリスでも徐々に知られるようになったのです。
伝統的には、レモンティーは高級ホテルや特別な場面で提供されることがありました。例えば、アメリカからの富裕層が泊まるホテルでは、冷たいカリフォルニア風のアイスティーとしてレモンティーが提供されました。
現代のイギリスのレモンティー文化
イギリス王室に関する興味深いエピソードとして、クィーン・エリザベス2世は毎朝の朝食時にレモンティーを愛飲していたことで知られています。
現代のイギリスでは、レモンティーはミルクティーほど一般的ではありませんが、カフェやレストランでオプションとして提供されることがあります。
まとめ
イギリスのレモンティー文化は、長い歴史を持ちながらも、ミルクティーが主流であるためにあまり広がりませんでした。
これは、歴史的背景や紅茶の淹れ方、水の特性などが影響しています。しかし、アメリカからの影響や王室の影響を受けて、一部の人々には愛されています。
イギリスの紅茶文化を深く知ることで、紅茶の楽しみ方がさらに広がることでしょう。